ダブルバインディング(二重の縛り)の子育て
私の母は付き合っていくのにすごく難しい人だと思っていた。
どんな風に難しいかというと、我が家にお客さんがきて、お茶受けにどら焼きを出したとする。
母がお客さんに「どら焼きどうぞ召し上がってください」
と言う。で・・・・ここで手を伸ばしたら・・・・ダメ・・・・。
「ありがとうございます」と言いながらも手を出さない。
どら焼きを食べようとしない。
「遠慮なさらないでどうぞ、折角用意したんですから、召し上がってください」
と母の誘いの言葉にのって、手をだしたら・・・・ダメ。
私の旦那なんて、この誘いの言葉についつい手を出してしまう。
「ありがとうございます」の言葉で受けるが手はださない。
最後まで手を出してはダメ。
帰る時に母が
「折角用意していたどら焼きですので、お持ち帰りになってください」という。
またまたここで
「そうですか、いただきます」
なんて言ってはダメ。
「とんでもないです。お気持ちだけいただいておきます」
とやんわりお断りする。
すると母が
「まぁ~そんな風におっしゃらずに、お包みしたので、お持ち帰りください」
「そんなぁ~申し訳ないので・・・・」
「そうおっしゃらず・・・どうぞどうぞ」
このやり取りを最低2回ぐらいやってから、受け取る。
これができない人は、常識のない人、まともな人間じゃない評価を母から貰う。
私は母からまともな人間じゃない評価をもらうのがすごく嫌だった。
まともな人間じゃない評価をもらうのがすごく嫌だ、の思いと同時に、
心の中にあるいつも、なんかもやもやとした違和感があった。
先ほどのどら焼きの会話、言葉と心、気持ちが一致していない。
言葉ではどら焼き食べてくださいって言ってるのに、
心の中では食べたらダメ・・・て思ってる。
これって「ダブルバインディング」の会話。
言葉と心、気持ちが一致していない。
母が「ダブルバインディング」の会話をしていると知ったのは、
娘達が摂食障害になって、私自身がいろいろと学んだ後。
「ダブルバインディング」という会話を知って、
やっと長年のもやもやが晴れて、腑に落ちた。
公園で
「思いっきり遊んでおいで、だたし、洋服も手も絶対汚さないでね」
なんて親が子どもに言ったら、子どもは混乱してしまうよね。
思いっきり遊ぶのに、洋服も手も絶対汚さないなんて、無理だものね。
言葉と心、気持ちが一致してはじめて、自分の思いが相手に伝わると思います。
言葉と心を一致させて、100%の思いで伝える、伝わる会話をしていきましょう。