講演回数800回以上。ひきこもり、リストカット、摂食障害、発達障害、不登校、認知症、家族支援の専門家

リストカット、摂食障害、、娘との体験記(全5回)

【ご相談 発達障害】

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ご相談内容

①小学生。自閉症スペクトラムと診断されました。こだわりが強く、自分のしていることを切り替えてもらうのがなかなか大変です。
周囲やクラスの人などとコミュニケーションがかみあいません。自分のことばかり話すので、避けられてしまいます。

②小学生、不登校中。落ち着きがなく、片づけがとても苦手です。思うように行かないと癇癪が強く、親にぐずることが多く、親もイライラ、爆発しそうになります。食べ物もこだわりが強いように思います。友人からは「発達障害かも」と言われました。
 

「発達障害か、発達障害かも」という子どもに親はどう関わるといいのでしょうか。

 

今回のご相談は発達障害と診断された方と診断されていない方のご相談です。

私は、発達障害の親の会を開催していますが、診断されてホッとしたと言う親御さん、グレーゾーンと言われた親御さん、病院には行っていない親御さん、成人したご本人、いろんな立場でご参加いただいています。

私は、診断されていても、されていなくても、お子さんに対する対応の仕方が同じだと思っています。

※ただし、症状によっては、服薬が必要な場合もあります。その場合は診断が必要です。が、ここでは、家庭での基本的な関わり方を記しています。

 

親の会とは別に、私が関わっている成人したご本人達は、40代から50代の方々で、発達障害という言葉さえなかった時代に生きてきた方々です。

生きてきたと言うより、生き抜いてきた方々と表現した方がいいかもしれません。

社会で働いている方もいらっしゃいますが、なかには発達障害の二次障害として精神疾患(鬱病、双極性障害、強迫神経障害など)や各依存症(アルコール、食物、買い物)を患ってしまった方もいらっしゃいます。

 

私は発達障害に関わるようになったのも、最初は摂食障害(食物依存症)の私の娘達をはじめ、摂食障害のご本人達と関わりを持ったのがきっかけでした。

関わりの中で、一次障害に発達障害があり、二次障害として摂食障害を発症している方々がある程度いるのではと感じました。

 

その方々の話から、『理解されない生きづらさ』が根底にあると感じました。

 

今では発達障害も昔よりは知られるようになり、養育や学校での支援も充実してきました。

 

養育でトレーニングを受けて、団体生活が出来るようになったお子さんもいらっしゃいますが、やはり団体生活は苦手のお子さんが多いように感じます。

 

時間を守れない、忘れ物が多い、板書したものをノートに写せない、幼稚園ではどうにか過ごせたお子さんでも、小学校に行くようになると、お友達関係から、持って行く予定の持ち物から、宿題からなかなかうまくいかなくなる場合があります。

 

トラブルが続く生活からどうにかしないとと思う

どんなに工夫してもうまくいかない

子どもを必要以上に叱ってしまう

怒ってばかりの自分を責めて自己嫌悪になる

 

こんなサイクルの入ってしまっている親御さんは、なかなか解決策が浮かばないですね。

前述したように発達障害の方々は『理解されない生きづらさ』を抱えています。

このサイクルから抜けるには、『理解されない生きづらさ』がキーワードです。

 

『理解していきましょう』

周りの人が『理解すること』で『理解されない生きづらさ』は減少していきます。

理解する為には、俯瞰することが重要です。

俯瞰するとは、迷路の中を彷徨うのではなく、迷路を上から見るイメージです。

上から見れば、出口がどこかすぐ分りますね。

迷路の中を歩き回って疲れはて、イライラするよりも、俯瞰して物事を見てみる。

冷静になってみる、客観的になってみる必要があります。

親の会などで困り事を話ししてみることもいいと思います。

日常の困り事を紙に書いてみてもいいと思います。

話することで、紙に書くことで、親御さんが客観的になること、冷静になることです。

発達障害と一概に言っても、いろいろ混合している場合が多いと思います。

表れる困り事はおひとりおひとり違います。

冷静になって、どの場面でパニックになるのか? どのような時にトラブルになるのか?

 

冷静になることで解決できることもあると思います。

宿題や約束を忘れないようにそれを書き出して冷蔵庫やトイレの壁などに貼っておいたり、事前に予告する、例えば今の時期だと「お家に帰ったら最初に何をするんだっけ?」「手洗い、うがい」「そうだね、よく分ったね」など事前に確認することでパニックを避けられたりが出来ます。親御さんが冷静になって今の困り事に対応していくことが重要になります。

 

(例1)

先生「廊下は走しったらダメでしょう」

生徒「・・・・・・」←パニック中

(心の中)走らないならどうすればいいの?立ち止まる?転がる?

スキップする?飛んでいく?どうすればいいの?どうすればいいの?

 

(例2)

先生「廊下はいち、に、いち、に、と歩いてね」

生徒「廊下はいち、に、いち、に、と歩くんですね」

 

基本はダメの表現ではなく、〇〇してほしいと具体的に伝える事だと思います。

そして、やってほしい行動ができた時は褒めてください。いっぱい褒めてください。

小さなことをたくさん褒めていくことが、ご本人の生きづらさを小さくしていきます。

たくさん褒めることで、ご本人が自信を持ち、ご自身の可能性が見えてきます。

親御さんもお子さんも『日々の小さな成長』が分るように、シール帳を作ってできたときはシールを貼ったり、「できた!ノート」を作ってみるのもいいかもしれないですね。

半年後、1年後に見返してみると、お子さんの成長が顕著に分ったりします。

 

ただどうしてもやってほしくないこともありますね。

その時は、注意する話の内容を3~5分以内でまとめるようにしましょう。

それ以上になると、話の内容よりも「怒られた」の気持ちしか残らないことになります。

 

ある発達障害の高校生は、いつも自分に×をつけていました。

「自分の身体が全身×ばかりです。人は自分に×しかつけない」と言っていました。

3~5分話が聞けたら最後は

「最後まで話を聞いてくれてありがとう」「最後まで話が聞けてすごい」

などのプラスの言葉で終わりにしてください。

「頑張ったね~」とぎゅっと抱きしめるのもいいですね。

親御さん側に工夫が必要になりますが、プラスの言葉で終わらせるようにしてください。

マイナスの言葉で話を終えることで、出来ない自分を意識して、自分に対する×をまたひとつ追加してしまいます。

 

親御さんが理解することが大切になりますが、理解する為には親御さんが表現の仕方や考え方を変えていく必要があることが、おわかり頂けましたでしょうか?

 

 

今までは

①学校で漢字や数字や地図などを学ぶ

     ↓

いろいろなものに興味を持つ

     ↓

得意なものを見つける

 

みたいな流れがあったと思いますが

 

発達障害のお子さんの場合は

 

②電車が好き

   ↓

駅に電車を見に行く

   ↓

電車に乗ってみる

   ↓

時刻表に興味を持つ

   ↓

駅から漢字を覚える 

時刻表から数字を覚える

路線図から地図を覚える

   ↓

旅行に行きたくなる

   ↓

働いてお金を貯めて旅行に行く

(上記は実際に私が関わったご本人の実例です。この2つの事例は、どう違うということなのですか?伝えたいことは何なのですか?)

①と②の違いは

①の場合は、一般的な知識を習得した上で自分の得意を見つけていく方法です。

②の場合は、自分の好きな分野から知識を広げていく方法です。

 

もう一人の不登校のお子さんは、小学校から学校に行けなくなりました。

中学校も行っていません。高校も行っていませんでした。

だたその期間も大好きな音楽だけは、やめないで続けていました。

ピアノとバイオリンが大好きでした。

学校に行っていないのに音楽をやっていていいのかの思いをお母さんはお持ちだったので私のところにご相談にいらっしゃいました。

最終的に彼女はイタリアに留学しました。今彼女は音符も読めます、イタリア語もしゃべれます。

すごいですよね。『音楽LOVE』の思いです。『音楽LOVE』の思いが、楽譜も読めるようになったし、他の国の言葉も理解するまでになりました。

 

発達障害の方々は、凸凹が激しいです。できるところできないところを明確にして、できているところは伸ばしていきましょう。できないところは、うまくまわりでサポートしていきましょう。

 

私の考えですが、お子さんにとって学校や集団生活が苦痛であるならば、立ち止まって考える必要があるように思います。

私の娘も中学校も高校も行っていませんが、今オーストラリアでグラフィック デザイナーの仕事をしています。

 

日本で、自分なりに事業を立ち上げて起業している人もたくさんいます。

 

お子さんひとりひとりが輝ける場所は必ずあります。

そのお子さんが、お子さんらしくそのままでいいよと言ってくれる場所は必ずあります。

お子さんがその場所を見つけられるようにサポートしてあげてください。

 

細かいサポートにつきましては、ご質問頂けると助かります。

なんらかの形でお答えしたいと思います。

 

【最後に】

発達障害と診断された方々の中にはHSC,HSPの方々がいます。

ここ最近ではHSC,HSP関連の本もたくさん出版されるようになりました。

HSC,HSPの方々も発達障害の方々と同じ様に、皮膚過敏や聴覚過敏の方々がいらっしゃいます。

うちの子は発達障害の症状とは少し違うかなぁ~と感じた方は、

HSC,HSP関連の本を読まれてみることをお勧めします。

 

※HSC,HSP(HSC=High ly Sensitive Child、HSP=High ly Sensitive Person))

日本だと「敏感すぎる人達」と表現されます。

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