【リストカット、摂食障害、、、娘との体験記 第3話】不登校・ひきこもり、摂食障害、リストカットと向き合う
二人の娘との関わりを中心とした体験記をお伝えしています。
初めから読みたい方は、こちらからご覧ください。
私が思う普通に娘達を変えることに必死だった
私には3人の子どもがいます。
上ふたりが女の子、一番下が男の子。
長女が高校2年生で摂食障害になり、次女は小学校でいじめにあって、中学は五月雨登校、そしてリストカット。
その後は、高校で不登校になって、やがて中退してひきこもり生活。
次から次からいろんなことがあって、なんで、なんで、どうして、どうしての毎日。なんで、なんで、どうして、どうしての毎日が受け入れられなくて、現実に起こっていることに目を背けていた。
他の子どもたちは普通に学校行ってるのに、なんでうちの子は学校行けないの?
ご飯食べないってなに?世界中にはご飯食べたくても食べられない人がどれだけいるか分かっているの?
こんなの普通じゃない、娘達のしていることは異常だって思った。
私が思う普通に娘達を変えることに必死だった。
私が娘たちを変えようとすればするほど、事態は悪い方向に行ってしまう。
その頃私は、とにかく、逃げたかった、現実から逃げたかった、逃げられる場所が欲しかった。なんにも考えなくていい場所や時間が欲しかった。
私の育て方が悪かったのかもしれないという罪悪感や不安から逃げ出したかった。
でも、現実には、そんな場所も時間もなかった。毎日毎日罪悪感と不安でつぶれそうで、そんな私を慰めてくれる人もいなかったし、「大丈夫、大丈夫、」って言ってくれる人もいなかった。
孤独だった、相談する人もいなかったし。
もうどこにも頼れない
どうしていいのか分からなかった私は、お医者さんにすがることにした。
お医者さんなら治してくれる、「薬」が娘たちを救ってくれると思った。
摂食障害というと、ただ単に物を食べない、または、たくさん食べて吐くみたいなイメージの方が多いのではないでしょうか?
摂食障害はアルコールやギャンブル、薬物依存の中でも死亡率の高い依存症。
娘の最低体重が25キロ、26キロ。30キロ切ると突然の心肺停止状態で死亡してしまう。
脳に栄養がいかないため幻覚、幻聴がある。
精神的に不安定なので、暴言、時に暴力も出てくる。
うつ病も発症する。
人によっては、万引きなどの犯罪行為を繰り返す場合もある。
24時間食に囚われていて、頭の中は食べ物のこと、その食べ物もなんでもいいわけではない。
この食べ物、この飲み物、決まってる食べ物、飲み物にこだわりがある。
それによって、家族は振り回される。
過食の時は家中の食べ物を食べてしまう。
本人の行動や言動に親は振り回されるので、精神的にも肉体的にも、そして経済的にもきつい状態が続く、親の負担が大きい。
リストカットも最初は自分の辛さを切ることで解消できるが、段々エスカレートする。
切っても切っても辛さが解消できなくて、乖離状態になって、切りすぎて自死してしまうこともある。
いつ命を落としてもおかしくない娘達を前にもうお医者さんしかこの状態を救えないと思った。
長女は、しばらく通院したら、血液検査の結果がよくて、もう通わなくていいですと主治医に言われてしまった。
その時長女の体重は33キロ.34キロぐらいだったと思う。
次女は離人症も発症していたので、ほとんどの向精神薬を飲んだが、副作用だけは出るけれども、全然状態(リストカット、幻聴、幻視、離人感、摂食障害)はよくならないので、主治医からもう効果のあるであろうお薬はありませんと言われてしまった。
唯一の頼みの綱だったお医者さんに見放されたように感じられ、本当に途方にくれてしまった。
もうどこにも頼れない。
寄り添う事が重要だと言われるが、言うのは簡単、実際は大変なこと。
摂食障害は他の依存症より死亡率が高い依存症。
命がかかっているだけにどこまで本人に付き合っていけばいいのか、寄り添っていけばいいのか悩む。
甘えさせていいのか、いや、しかし、甘えさせることで自立できないのではないか、真っ暗なトンネルの中を這いずり回っているような毎日。
その上お医者さんにも見放されてしまった。
摂食障害の子どもがひとりいてもお母さんが、鬱になってしまう方が多い。
我が家の場合は娘二人が摂食障害だったので、振り回されることも二倍。
子どもは子どもで自分の病と闘って大変だったと思うけれど、付き合う私も大変だった。
あっちがちょっとよくなれば、こっち、こっちがちょっと落ち着けばあっち、休まる時がない。
このままではみんながつぶれてしまうと思った。
このままではいい方向にはいかないと思った。
この流れを変えたいと思った。
流れを変えるために、「今までやっていたこととは違う事をやってみよう」と思った。
流れを変えるしかない
もう自分で全てどうにかしようと思うのをやめた。
いつ命を落としてもおかしくない娘二人を前にして、死ということを意識してしまうと不安で不安でいても立ってもいられなくなってしまう。
死の可能性の高い病だけれど、それは神様に委ねよう、そこは神様のエリア、神様に任せよう、神様?宇宙?運命?なんでもいいけれど、なにか大きな存在に任せてみよう。
私は私ができることをできる範囲で誠実にやっていこう。
できないことは「できないや、ごめんね」と言いながら、、、
そこで、私にできる事はなんだろうかと考えた。
第4話
【リストカット、摂食障害、、、娘との体験記 第4話】親ができる3つのこと
に続きます